2024年問題とは何だったのか──その根っこは、1990年にあった
どうも、タイガです。今回のお届け物は「業界史」の第1弾。この業界にいれば耳にタコができるほど聞いた「2024年問題」を、2026年の今だから言える「その後」まで含めて、一度きちんと整理してみます。
そして調べていくうちに、はっきり分かったことがあります。2024年問題の根っこは、実は俺がまだランドセルを背負っていた頃──1990年に埋まっていたんです。
まず「2024年問題」をおさらい
ポイントは、それまで運送業は人手不足などを理由に上限規制が「免除」されていたこと。他の業界より遅れて、やっと「残業に上限がある普通の仕事」になったわけです。
根っこは1990年──「物流二法」という分岐点
じゃあ、なんでドライバーはそんなに長く働いていたのか。時計の針を1990年まで戻します。
1990年12月、「物流二法」という法律で運送業は大きく規制緩和されました。参入が免許制から許可制に変わり、運賃も認可制から届け出制に。バブル景気でトラックが足りなかった時代には、これが効きました。施行前に約4万社だった運送事業者は、約6万4千社まで増えたんです。
ところがバブルが崩壊する。荷物は減ったのに、会社は増えたまま。何が起きるかというと、過当競争です。運賃の値下げ合戦が始まり、そのしわ寄せは「賃金の低下」と「労働時間の増加」という形で、ドライバーに降りかかりました。
俺がこの業界に入った20年前は、まさにその真っ只中。「走れば走るだけ稼げる」と言えば聞こえはいいけど、裏を返せば「走り続けないと稼げない」給料体系だったんです。2024年問題は突然降ってきた話じゃなくて、30年かけて溜まったツケの清算だった。そう考えると腑に落ちます。
で、実際どうなったのか──2026年からの答え合わせ
規制から2年たった今、答え合わせをしましょう。
心配されていた「モノが運べなくなる物流崩壊」は、今のところ顕在化していません。ただしこれは問題が解決したわけじゃなくて、共同配送や配送回数の見直し、AI配車などの効率化の積み重ねで、なんとか緩和できているというのが実態です。AIの配車計画で熟練者よりも総走行距離を約10%以上削減できた、という実績も出ています。
一方で、新しい課題も見えてきました。ドライバーだけじゃなく、倉庫作業員や物流事務職の人手不足が深刻になってきている。そして2030年度に輸送力が34.1%不足するという試算は、まだ生きています。2024年問題は「終わった話」じゃなくて、「始まりの合図」だったんです。
タイガのひとこと
正直に言うと、規制が始まる前は俺も不安でした。走る時間が減れば、給料も減るんじゃないかって。実際、そういう痛みを経験した仲間もいます。
それでも俺は、この規制は必要だったと思っています。30年間、運賃競争のしわ寄せを体で受け止めてきたのがドライバーです。その働き方を「普通」に戻さない限り、若い人はこの業界に来ない。2024年問題の本当の宿題は「モノが運べるか」じゃなくて、「人がこの仕事を選んでくれるか」なんです。
今日もご安全に。
3人でひとこと
出典
- 物流の2024年問題でトラック運転手の働き方改革は進んだか(SOMPOインスティチュート・プラス)
- 運送業に対する時間外労働の上限規制・年960時間(人事・労務・労働問題の弁護士相談)
- 物流2024年問題の「その後」は?現状の課題とデジタル・AIによる解決策(OKI)
- 2024年問題とは何だったのか?物流現場でいま何が起きているのか(Aidiotプラス)
- 物流関連二法とは?概要と改正のポイント、歴史的背景(ハコベル)
- 2024年問題を引き起こした1990年問題から紐解く(WEB CARTOP)
- 1990物流二法の「誤算」:なぜ日本のトラック運送は持続困難に陥ったのか(日本鉄道マーケティング)
- 物流の2030年問題とは?2024年問題のその後や対応策(キヤノンMJグループ)


