点呼をロボットがやる時代──「業務前自動点呼」を現役ドライバーが調べてみた
どうも、タイガです。今回のお届け物は「物流×AI」の第2弾。テーマは、ドライバーなら毎日必ず通る儀式──「点呼」です。
俺の考えはシンプルで、運送会社の売上は事務所じゃなくてトラックが走って生まれる。だから事務所の仕事を軽くして、トラックが走る時間を増やす。その一番わかりやすい入口が、点呼のロボット化なんです。
そもそも「点呼」って何だ
つまり、朝一番と帰着後、運行管理者は必ず事務所にいなきゃいけない。深夜2時に出る車があれば、深夜2時に人がいる。ドライバーの俺から見ても、管理者さんのこの拘束は相当きついだろうなと思っていました。
遠隔点呼から、ロボット点呼へ
この点呼が、段階的に変わってきています。まずカメラやIT機器を使って離れた場所から行う「遠隔点呼」が制度化され、トラック運送事業では2024年4月から具体的な実施方法が示されました。
そして本命が「業務前自動点呼」。ロボットや機器が点呼そのものを実施する仕組みで、2024年5月から先行実施が始まり、2025年4月30日に正式に制度化されました。
そう。しかもどんな機器でもいいわけじゃなくて、国土交通省の認定を受けた機器だけが使えます。認定機器の一覧は国交省が公開していて、たとえばナブアシストのロボット点呼「Tenko de Unibo」は自動点呼機器の認定第一号。東海電子の点呼ロボット「e点呼セルフType ロボケビー」も業務前自動点呼の機器要件に対応しています。ロボットが名前で呼びかけて点呼してくれる時代が、もう来ているんです。
ロボットは何をしてくれるのか
業務前自動点呼の機器に求められる要件を見ると、やることは人間の点呼とほぼ同じです。血圧・体温の測定、なりすましを防ぐ生体認証、アルコールチェック、日常点検の記録保存。そして測定結果からドライバーの健康状態を判定して、問題があれば運行管理者へアラートを飛ばす機能。
それだけじゃありません。個別の業務指示も伝えられます。運行管理者が指示・伝達事項を事前に登録しておけば、ロボットがドライバーごとに確実に伝えてくれる。「今日はルート変更」「この荷主は注意事項あり」──指示を考えるのは人間、伝達を担うのがロボット、という分担です。
実はそこがポイントでな。人間同士だと「顔色悪いけど、まあ大丈夫か」で通っちゃうことがある。ロボットは数値で淡々と判定する。ドライバーの健康を守るという点呼本来の目的には、むしろ忠実なんです。
業務前と業務後で、任せられる範囲が違う
ここは正確に書いておきます。同じ自動点呼でも、業務前と業務後では制度上の扱いが違います。
帰着後の「業務後自動点呼」は、機器の故障などで継続が困難な場合を除き、運転者だけで点呼を完了できます。もう運転しないのでリスクが低く、ロボットだけで完結できるわけです。
一方、これから運転する「業務前自動点呼」は、完全無人にはできません。機器が「安全な運転ができないおそれあり」と判定したときは運行管理者に通知が飛んで点呼を中断し、最終的な運行可否の判断は必ず人間が行う体制を整えておくことが制度上の条件です。
正常なときはロボットが、異常なときは人間が。深夜の「何も起きない点呼」のために人が張り付く必要はなくなるけど、いざというときの判断は人間に残る。いい役割分担だと俺は思います。導入には都道府県のトラック協会などの補助金・助成金が使える場合もあります。
タイガのひとこと
事務所の効率化って、ドライバーには関係ない話に聞こえるかもしれない。でも違うんです。運送会社の売上は、事務所じゃなくてトラックが走って生まれる。だから事務所の仕事を軽くして、トラックが走る時間を増やす。効率化はそのための手段です。
ただ、順番が大事です。いきなり機械を入れるんじゃなくて、まず事務所の仕事を「やること」と「やらないこと」に切り分ける。無駄な仕事をデジタル化しても、無駄が速くなるだけですから。その点、点呼は絶対に「やること」の側。法律で決まっていて、毎日必ず発生して、深夜早朝に人を縛る。だからこそ、ロボット化の効果が一番大きい仕事なんです。
紙とFAXの20年を知ってるからこそ言いたい。変わるなら、今がチャンスです。
今日もご安全に。
3人でひとこと
出典
- 令和6年4月からのトラック運送事業の遠隔点呼の具体的実施方法(トラサポ)
- 業務前自動点呼が解禁されました(東京海上ディーアール)
- 業務前自動点呼とは?要件・対面点呼との違い(五十鈴株式会社)
- 認定を受けた業務前自動点呼機器一覧(国土交通省)
- 点呼+業務前自動点呼対応(ナブアシスト)
- 運送事業者の為の点呼支援ロボット(ナブアシスト)
- e点呼セルフType ロボケビーが業務前自動点呼の機器要件に対応(東海電子プレスリリース)
- 業務後自動点呼とは?制度や運用・機器の要件など解説(株式会社コア)
- ロボット点呼とは?国交省による導入要件やメリット・デメリット(テレニシ)
- 自動点呼・遠隔点呼で活用できる補助金完全ガイド(デジタコナビ)


