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現場のリアル

災害時の道路情報の調べ方

どうも、タイガです。

昨日の記事では渋滞と通行止めの調べ方を紹介しました。今日はその続編、災害時の情報収集です。地震や豪雨のとき、「どの道が通れるか」をどう調べるか。

熊本の地震からまだ日が浅いですが、災害連載で書いてきたことの、いわば実践編だと思って読んでください。

先に、大前提を3つ

情報収集の話をする前に、これだけは先に言わせてください。災害時の鉄則は3つです。

1. 危険を感じたら、止まる。「行けるかもしれない」は行かない理由になっても、行く理由にはならない。停められる安全な場所に停めて、様子を見る。それができるのもプロの判断です。

**2. 道路状況よりも、人命優先。**荷物より、納期より、まず自分と周りの命。積んでる荷物がどれだけ大事でも、命と引き換えにしていいものは一つも積んでません。

**3. 個人判断をせず、会社に指示を仰ぐ。**災害時に「自分だけの判断」で動くのが一番危ない。運行管理者に状況を伝えて、指示をもらう。会社は各方面の情報を集めて判断できる立場にいます。連絡すること自体が、大事な仕事です。ただ、災害時は電話がつながらないことも実際にあります。そのときは無理に走らず、安全な場所に停めて連絡を試し続ける。「連絡が取れないから自分で判断して進む」ではなく、「連絡が取れるまで安全を確保して待つ」です。

ちびトラちびトラ
「止まる」「命優先」「会社に相談」…情報を調べるより先に、これなんですね。

そう。これから紹介するサイトは全部、この3つを守った上で使う道具です。順番を間違えないでください。

それに、これは現場の実感なんですが、業界の空気も変わってきてます。昔は台風でも大雪でも「何とかして届けろ」が当たり前だった。でも今は、災害のときに無理して走らせない──そういう風潮に、確実に変わってきている。止まる判断が、ちゃんと認められる時代になってきたんです。

災害時、カーナビはあてにならない

地震で道路が寸断された直後、カーナビの地図は壊れる前の道路網のままです。通れない道を平気で案内してくる。渋滞情報も、そもそも走ってるクルマが少なすぎて反映されない。

ただ、先に言っておくと、災害時は何が起きるかわかりません。これから紹介するサイトも万能じゃない。情報が現地に追いつかないことだってある。だから「これを見れば大丈夫」ではなく、あくまで参考のひとつとして、判断材料に加えてください。

「通れるはず」より「通れた」──通れた道マップ

災害時に俺がいちばん頼りにしてるのが、トヨタの通れた道マップです。

とらぼとらぼ
ふっふっふ、これは僕好みの仕組みなのだ。通信機能つきのクルマが実際に走行したデータを集めて、直近24時間に「実際にクルマが通れた道」を地図上に表示するのだ。予測ではなく実績。事実ベースなのが強いのだ。

そう、「通れるはず」じゃなくて「通れた」。この差はでかい。ただし注意もひとつ。これは過去24時間の実績であって、今この瞬間の保証じゃない。数時間前に通れた道が、余震や規制で今は塞がってることもある。あくまで判断材料のひとつです。

あわせて見るのが、国土交通省の通れるマップ。大きな災害のたびに、道路管理者側から見た通行可能ルートが公開されます。令和8年熊本地震のページは今も更新中です。実走データのトヨタと、管理者情報の国交省。両方見れば、被災地周辺でも冷静にルートが組めます。

冠水した道には、入らない

地震だけじゃなく、豪雨のときに気をつけてほしいのが道路の冠水です。特に危ないのがアンダーパス

ちびトラちびトラ
アンダーパスって、線路や道路の下をくぐるあの道ですよね。雨の日、そんなに危ないんですか?

危ない。周りより低いから水が集まる。冠水したアンダーパスにクルマで突っ込む事故は、毎年のように起きてます。「ちょっと深そうだな」と思ったら迂回。トラックでも乗用車でも、これは鉄則です。

これは脅しで言ってるんじゃありません。2008年8月には栃木県鹿沼市で、集中豪雨で冠水した東北道下のアンダーパスに進入した軽乗用車が水没して、運転していた方が亡くなっています。通報したのに救助が間に合わなかった。この事故は国会でも取り上げられ、対策が議論されました。

冠水した道の怖さは、深さが見た目でわからないことです。水面は平らでも、下がどうなってるかは見えない。マンホールの蓋が外れていたり、路面がえぐれていたりする。それに水は思ったより浅くてもクルマを止めます。マフラーやエンジンの吸気口から水を吸えばエンジンは止まるし、深くなればドアが水圧で開かなくなる。「前のクルマが行けたから」も判断材料になりません。車高も吸気口の位置も違うからです。冠水路は入らない。引き返す。これだけ覚えてください。

冠水しやすい場所は、実は事前にわかります。国交省などが道路冠水注意箇所マップを公開していて、アンダーパスなど冠水の危険がある箇所が地図で確認できます(関東甲信版のほか、各地方整備局が公開)。自分がよく走るルートの「低いところ」を平時に把握しておくと、雨の日の判断が変わります。

あとは大元の気象庁。警報・注意報・台風情報はここが一次情報です。運行するかどうかの判断は、まずここから。

大雪のときは「立ち往生」に注意

雪も他人事じゃありません。2020年12月には関越道で、記録的な集中降雪により最大約2,100台・最長50時間超の立ち往生が発生しました。丸2日以上、雪の中で動けない。燃料も食料も尽きていく。ニュースで見た人も多いと思いますが、あれは雪道を走る誰にでも起こりうることです。

この一件のあと、大雪が予想されるときは予防的通行止めが早めにかかるようになりました。「通れるうちに行っちゃおう」が一番危ない。大雪予報の日は、気象庁の情報とNEXCO各社の規制情報を出発前に確認して、運行については会社の指示に従ってください。

それと、もし立ち往生に巻き込まれたときのために、ひとつだけ覚えておいてほしいのがマフラー周りの除雪です。マフラーが雪に埋まると排気ガスが車内に逆流して、一酸化炭素中毒の危険がある。トラックは排気口の位置が高いぶん埋まりにくいですが、あの日の湯沢は24時間で1メートル以上積もりました。過信は禁物です。車高の低い乗用車は特に危ない。エンジンをかけたまま待機するなら、マフラー周りの雪かきをこまめに。これは命に関わります。

災害時のSNSは、デマに注意

昨日の記事で「SNSは速い」と書きましたが、災害時だけは注意の度合いを一段上げてください。過去の災害でも、古い画像や無関係の動画が「今の被災地」として何万回も拡散されました。善意のシェアがデマを広げることもある。

災害時こそ、SNSで気配をつかんで、公式で裏を取る。この順番を守ってください。

災害時の情報収集は、平時の備えが9割

最後にいちばん大事な話。災害のとき、こういうサイトはアクセスが集中してつながりにくくなることがあります。停電や輻輳でスマホ自体が使いにくくなることもある。

だから、平時に一度開いておいてください。ブックマークして、どんな画面で、どう操作するのか、体で覚えておく。避難訓練と同じです。そして確認は必ず停車中に。運転中はスマホをいじらない──これは平時も災害時も変わりません。いざというとき、初見のサイトを慌てて操作するのと、勝手を知ってるサイトを開くのとでは、まるで違います。

タイガのひとこと

災害連載で「道は、誰かが開けて初めてそこにある」と書きました。開いた道の情報は、誰かがまとめて公開してくれてる。俺たちにできるのは、それを受け取る準備をしておくことです。

今日のサイトも、昨日の分と合わせて常設ページ**ドライバーお役立ちリンク集**にまとめてあります。平時のうちに、ぜひ一度開いてみてください。

最後にもう一度だけ。危険を感じたら止まる。道路状況よりも人命優先。個人判断をせず会社に指示を仰ぐ。情報収集は、この3つの後ろに置いてください。

今日もご安全に。

3人でひとこと

ちびトラちびトラ
「通れるはず」より「通れた」…! 災害のときこそ事実ベースなんですね。
タイガタイガ
おう。焦ってるときほど、噂じゃなくてデータを見ることだ。
とらぼとらぼ
えっへん。通れた道マップはクルマたちの走行データの結晶なのだ。データは人を助けるのだ。
ちびトラちびトラ
「止まる」「命優先」「会社に相談」、しっかりメモしました! みなさんも平時のうちにブックマークを!

出典